「運行供用者」とは?
交通事故の場合に、たまに見聞きする「運行供用者」について簡単にご説明します
(1)自賠責保険において、自動車損害賠償責任を問われる者とは・・?
※ この自賠法3条に記載されている
「自己のために自動車を運行の用に供する者」が、いわゆる「運行供用者」と呼ばれています。
自賠法によって賠償を受けるための三つの要件
1 | 自己のため に 自動車を運行の用に供する者 が |
2 | その運行 に よって |
3 | 他人 の 生命 又は 身体 を 害した とき |
つまり、自賠法3条(自賠責保険)における「自己のために自動車を運行の用に供する者」(以下、運行供用者と言う)とは?
① 最高裁判所第三小法廷昭和43年9月24日判決(集民第92号369頁)によると、「自賠法三条にいう『自己のために自動車を運行の用に供する者』とは、自動車の使用についての支配権を有し、かつ、その使用により享受する利益が自己に帰属する者を意味する」と判示されており、その後も、この最判を踏襲する多くの最高裁判例が出されていることから、上記判断は確定判例となっていると考えられ、学説においても上記判例が支持されています。
上記の最判を簡単にいうと・・
「加害自動車の運行をコントロール(支配)でき、しかも、それによって利益を得ている者」
ということになり、現在では、運行供用者とは、加害車両について運行支配と運行利益を有する者のことをいうと考える(運行支配と運行利益を問題とすることから二元説とも呼ばれています)のが判例・通説となっています。
交通事故において、誰に損害を請求すれば良いのか?・・を考えるにあたり、この「運行供用者」が誰にあたるのかをよく確認していおく必要があります。
ご不明な点は、お気軽にご相談くださいね。