自賠責保険の請求方法

• 加害者請求とは？
  加害者請求とは、加害者が自賠責保険の給付よりも先に被害者の医療費等を加害者自らが支払った場合に、後に自らの加入する自賠責保険に、既に支払った被害者への補償金を請求することです。
• 加害者請求で多いのが、加害者の加入している任意保険会社が被害者に対して賠償金を支払った後、任意保険会社が自賠責保険に対して請求する場合です。

※　交通事故の大半は、任意一括払い制度で処理されています。

• 任意一括払いされることで、被害者は面倒な手続を保険会社に丸投げでき、治療に専念でき、一般的に「任意一括方式」が社会的にもに完全に定着していますが、例外的に被害者請求をせざるを得ない場合や、被害者請求の方が有利な場合があります。
  ※　但し、本来利害関係が対立する相手方保険会社に任せているということは、場合によっては被害者にとっては・・・・

• 被害者請求とは？
  被害者請求とは、事故にあった被害者が自ら治療費などを支払った場合に、相手方の自賠責保険会社に大して相手方を介さず直接請求することをいいます。
• 加害者が不誠実な場合や、金額面で折り合いがつかずに示談が成立しない場合などには、保険金の請求をすることができません。
• 上記のような被害者を保護するために、被害者が損害賠償額（この場合は、保険金とは呼ばずに損害賠償額と呼びます）を直接、保険会社に支払うよう請求することができ、これを「被害者請求」といいます。

※　被害者請求を選択する場合

1. 被害者の過失割合が多い・・（過失割合が５割を超える場合・・）
2. 後遺障害の認定が微妙・・
3. 被害者が経済的に困窮している・・
4. 加害者側が手続をしてくれない・・

※　被害者請求を選択した場合のデメリット

1. 治療費や、通院費などの実費を被害者が一時立て替えなくてはならない。
   但し、治療費については、病院が同意すれば自賠責保険から直接病院に振り込まれるように手続きすることも可能（病院に相談）。
2. 請求にかかる事務手続きが煩雑でたいへんかも・・
   但し、被害者自身が任意保険に加入している場合、親切な保険会社なら協力してもらえるかもしれませんが・・。

※　被害者請求を選択した場合のメリット

1. ケガの場合、自賠責の上限は１２０万円ですが、場合によっては、相手の保険会社が入ってきて治療を途中で打ち切ったりしますが、被害者請求ではこのようなことがありません。
2. 但し、後日ご自身のケガや治療費の妥当性を立証する必要に迫られることも考えられ、しっかりとした病院（打撲や捻挫、骨折等なら整形外科）で診断、検査、治療を受けることが必要となりますし、休業損害まで考慮した場合には、自由診療ではなく、健康保険の利用を行うことで、１２０万円を有効に使える可能性があります。